遺産分割・遺言・その他様々な相続に関わる法律問題のご相談をお受けします
弁護士による相続の法律相談 弁護士による遺産分割・遺言・相続の法律相談
内藤寿彦法律事務所
東京都港区虎ノ門5丁目・日比谷線神谷町駅徒歩1分

相続弁護士ホーム 相続の基礎知識 遺産分割などの費用 よくある質問 相続コラム 遺言コラム アクセス お問い合わせ
         

法律相談 初回30分無料

弁護士内藤寿彦
 (東京弁護士会所属)
プロフィール
ニュース
2012/08/01
Webサイト公開しました。
2016/10/20
サイトリニュアルしました。
随時、更新しています。
取扱い案件
不動産関係、相続競売、一般民事事件、会社関係、損害賠償事件 。。。
その他ご相談ください。
 
執務時間
 
法律相談のお問い合わせ
 
「お問い合わせ」をご覧ください。
 
遺言

相続の弁護士・ホーム相続の基礎知識相続・遺産分割の費用
よくある質問~相談までの流れと費用など| 相続コラム~相続にまつわる色々な話
遺言コラム~遺言書にまつわる色々な話 | アクセス | 法律相談のお問い合わせ

遺言コラム

(遺言書にまつわる色々な話)
※お探しの記事が見つからない時は、「相続の弁護士・ホーム」の「相続の相談例」や「相続の基礎知識」「相続コラム」も
ご覧ください。

【遺言書の無効】
●自筆遺言の落とし穴
 1.日付け
 2.訂正
 3.遺産を受け取る人が特定されていない
公正証書遺言が無効になる場合もあります

【遺言書が何通もある】
遺言書が何通もある・・・

【困った遺言書】
相続後にもめる遺言書
遺産の一部が脱けている遺言書  
 ~遺言書に書いてない遺産はどうなる!?
現金を相続させるという遺言書
 ~預金も現金もないときはどうなる!?

【自筆遺言と不動産の登記
原則として登記できます
遺言書があるのに裁判をしなければならない・・・  
 ~検認手続でもめると・・・
1つの土地を分ける必要がある自筆遺言
 
 ~測量図をつけた自筆遺言、「建物の敷地」と書いてある遺言

【遺言の実現を妨害された】
遺言があるのに別の登記をされた

--------------------------------
TOPへ
【遺言書の無効】

自筆遺言の落とし穴
 自筆遺言の要件一般については、「基礎知識」の「自筆遺言と公正証書遺言」をご覧ください。

1.日付け
 日付けは自筆遺言の要件です。
 「何年、何月、何日」か分かるように書いてなければ無効です。有名な例で、「○年○月吉日」という遺言が無効になりました(最高裁昭和54年5月31日判決)。
 ただし、遺言本文が書いてある書面に日付けの記載がなくても、遺言と一体となった封筒に日付けが書いてあったので有効としたものもあります(大阪高裁平成23年2月10日判決)。

 日付けは、実際に遺言を書いた日でなければなりません。
 日付けが有効要件になっているのは、遺言者の精神状態の判定のため(遺言を書いたその日に、遺言ができる精神状態にあったかどうか確認できるようにするため)や、複数の遺言がある場合の前後関係の確認(複数の遺言の内容が矛盾する場合には後の遺言で前の遺言が取り消されたことになります)のために必要だからです。

 このため、故意に遺言作成の日とは別の日を記載した場合、その遺言書は無効になります。
 ただし、人のやることですから間違いはあります。間違った日を書いたことと、真実遺言書を書いた日が遺言書の記載やその他の事情から容易に分かる場合には、遺言は有効だとされました(最高裁昭和52年11月21日判決)。この判決は、「昭和48年」と書くのを間違えて「昭和28年」と書いたことが分かるという事案でした。


 ところで、故意に実際と違う日を書くことなどあるのか、と思うかも知れません。
 この遺言の日付けはおかしいなと思ったことがありました。
 亡くなった人は数年前から重度の認知症で施設に入り、その後、奥さんが亡くなり、その翌年に自分が亡くなりました。遺言書の日付けは、施設に入る前(奥さんが亡くなる前)になっていました。ところが、遺言書の内容は、遺産の全部を子どもたちに相続させるという内容でした(特定の子に特に有利になっていました)。
  しかし、なぜ、奥さんには何も遺さないのでしょうか。有利な扱いを受ける子が、奥さんと同居して面倒をみているのなら理解できますが、そうではありません。しかも、奥さんが所有していた財産まで、自分のものとして遺言書に記載されていました。
 相続人の1人が、遺言者に働きかけて自分に有利な遺言を書かせるということもありますから、実際には奥さんが亡くなった後(本人が施設に入った後)で書かせて、日付けを遡らせたのではないかと疑いました。しかし、疑い以上にその証明ができるかと言うと難しいと思いました。(*)

(*)故意に遺言の作成日と違う日付けが書いてあったため、遺言が無効になった例があります(東京高裁平成5年3月23日判決)。これは、遺言書に記載された遺言執行者の住所が、遺言書の日付けの2年後の住所(転居後の住所)になっていという事案です。このため、裁判所は、遺言書の作成日は遺言書の日付けよりも2年以上後で、故意に日付けを遡らせたと認定しました。ただし、この事案の場合、なぜ、日付けを遡らせたのか、裁判所も「本件全証拠によっても、理由は明らかでない」としています。

2.訂正
 自筆遺言を訂正する場合は、遺言書の中に、訂正する文章を書いて署名押印し、訂正箇所に判子を押すという手続が必要になります。普通の契約書などの場合には、訂正印を押すだけでいいのですが、遺言の場合は厳格です。
 このように厳格なのは、例えば、「この財産を○○に相続させる」と書いた後で、「この財産」を別の財産に訂正したり、「○○」を別の人に訂正する場合のように、重要部分を訂正すると、遺言の内容が全く別の内容になってしまうからです。
 そして、訂正の手続を法律のとおりにしなければ、訂正は無効です。訂正前の文章が読み取れる場合には訂正をしなかったことになります。訂正の結果、前の文書が読み取れなくなれば、読み取れないことを前提に解釈するしかありません。
 ただし、通常は、書き間違えたところを訂正する程度ですから、「訂正しなかった」ことになっても、さほど問題はありません。訂正が無効で意味が通らなくなっても、遺言は合理的な解釈をして読むことになっています。

 とは言え、日付けを訂正したのに訂正方法が間違っていて、しかも、訂正前の日付けが読めない遺言が無効とされた例もあります(仙台地裁昭和50年2月27日判決)。

 なお、完成した自筆遺言全体に、遺言者が斜線を引いた場合は、訂正ではなく、遺言の破棄に当たるというのが、最高裁の判決です(平成27年11月20日判決)。破棄にあたるというのは、遺言者本人が遺言をなかったことにした、という意味です。
 常識的な話ですが、あくまでも、斜線を引いたのが遺言書を作成した本人だというのが前提になっています。誰が斜線を引いたのか争われる場合には難しい話になると思います。

3.遺産を受け取る人が特定されていない
 「先祖を大事に思う者に相続させる」「相続人の中から最も適当と皆が認める者に相続させる」という遺言は無効です(遺言のその部分が無効になりますが、その他の記載は有効です)。

 遺産を受け取る人が特定されていないからです。
 また、遺言者以外の人に、遺産を受け取る人を選んでほしいという意味でも、遺言は無効です。遺言執行者に、特定の遺産を相続する相続人を選ばせるという遺言も無効です(ただし、遺贈の例ですが、遺贈を受ける者の範囲が国又は地方公共団体等に限定されていると解される場合に有効とした裁判例があります。最高裁平成5年1月19日判決)。

 ところで、複数の遺産があり、特定の遺産についてだけ、この問題で無効になった場合、無効になった遺産はどうなるのか、ということですが、無効になった遺産だけを法定相続分で分けるということにはなりません。無効になった遺産については、遺言書に遺産の全部が記載されていない場合と同じ扱いになります。これについては、「困った遺言書」の「遺産の一部が脱けている遺言書」をご覧ください。
TOPへ

●公正証書遺言が無効になる場合もあります
 公正証書遺言は、公証人が本人確認をした上で作成しますから、本人の遺言かどうかが問題になることはありません
 それでも、遺言者の精神的な状態が問題になることがあります。死を目前にした入院時で、意識もなかったのではないかと言うことで、自分に不利な遺言をされた相続人が争うことがあります。
 また、認知症などで、正常な意思状態でなく遺言をしたということで争われることもあります。

 公証人は、依頼があれば病院でも、自宅でも来てくれます。
 そして、入院中で健康状態や精神状態が問題になるような場合、公証人も慎重になります。医師から診断書を取ります。医師が、遺言ができる精神状態にあったという診断書を出していれば、将来、裁判で争われても、裁判所がこれを無効とすることはほとんどあり得ません。

 問題は、入院していない場合です。公証人が本人と会って問題が起こりそうだと分かれば、診断書を取ってもらうなどしますが、気がつかない場合に問題が起こります(実際には何の問題もないのに、相続人の一部が問題だと言うこともあり得ます)。

 通常、公正証書遺言は、正式な遺言の前に、遺言者本人、もしくは、相続人などの関係者や弁護士が、公証人と打ち合わせして、遺言書の原案を作成します。遺言者本人が公証人と事前の打ち合わせをしていれば問題はありません。それ以外の人が打ち合わせをする場合でも、その人が遺言者本人の意向を確認して、それを公証人に伝えるのが普通です。公証人も、正式に遺言書を作成する際、本人と会って原案のままでいいかどうか確認をします(本人が違うと言えば、当然、訂正した内容で遺言書が作られます)。

 それでも、裁判所が公正証書遺言を無効と判断した例があります。その多くは認知症の事例です。(*1)
 症状が重度なのに、遺言書の内容が複雑で、本人が遺言の内容を正確に理解していたとは考えられないというような場合、遺言が無効と判断されることがあります。また、遺言者本人やその家族関係などから、こんな内容の遺言をするはずがないという場合(親族以外の人が遺言の作成に関与し、その人たちによって、本人の真意と違う内容の遺言をさせられたと考えられる場合)に遺言が無効とされることがあります。(*2)
 つまり、認知症というだけの理由で、公正証書遺言が無効になるわけではありません
 
認知症でも、遺言の意味を理解していて、自分が死んだら自分の財産を相続人や第三者に与えるという意味が理解できるなら、遺言をする能力があったと判断されます。(*3)

 最終的に裁判所が有効だと判断するとしても、できれば争われないようにしたいものです。認知症と診断されている人が遺言書を作成する場合は、事前に公証人に説明し、診断書などを用意しておく必要があります。ただし、公証人の判断で遺言書の作成を断られる場合もあります。

(*1) 遺言をした人が認知症だからと言っても、それだけで遺言が無効になるわけではありません。公正証書遺言に限らず、自筆遺言の場合でも、認知症と診断された後で作成された遺言が有効とされた例は珍しくありません。公正証書遺言が無効になった判決というのは、珍しいから報道されたり、法律情報誌に紹介されるのです(また、それがネットで紹介されるのです)。

(*2)共同相続人が「亡くなった母は、あの財産は俺にくれると言っていた。あいつ(他の共同相続人)のことは悪く言っていたので、あいつに遺産をやるという遺言書を書くのはおかしい」と言うのは、裁判官から見ると珍しい話ではないと思います。年老いた母が、仲の悪い息子2人にそれぞれいい顔をするのはありがちな話です。これに対して、肉親を差し置いて、第三者に遺産の全部をあげるというのは、場合によりけりですが、裁判官も違和感を持つことがあります。

(*3) 「弁護士に6億円の遺言無効=公序良俗に違反-大阪高裁」という見出しで報道された判決(大阪高裁平成26年10月30日判決)は、「短期記憶の欠如といった中核症状のみならず、しばしばせん妄等の周辺症状を発症する状況にあったと認められるが、未だ、高度のアルツハイマー病に罹患していたとまでは認められない」などとして、遺言の能力はあったと認定しました。しかし、遺言作成に関与した受遺者(遺贈を受ける者)が職務上の地位を利用して遺言を作成させたことが公序良俗に反するとして遺言を無効にしました。

TOPへ
遺言書が何通もある】
● 遺言書が何通もある・・・・

 毎年、遺言書を書くという人もいます。年ごとに遺言書を書き直しているのです。そのような場合には、時々気が変わることもあるかも知れませんが、遺言書の内容が、極端にころころ変わることはないと思います。(*)

 問題なのは、亡くなる前の数か月程度の間に正反対の遺言書が何通も作られているような場合です。
 典型的なのは、亡くなった人の子AとB(AとBは兄弟)がいて、亡くなる前に本人がAとBの間をいったり来たりしていたような場合です。場合によっては寝たきり状態の親の奪い合いみたいなことも起こります。
 そんな時に、Aに全部の財産を相続させるという遺言書が作られたかと思うと、しばらくして、今度はBに全部の財産を相続させるという遺言書が作られ、また、今後はAに相続させるとか・・・・

 こうして本人が亡くなってしまうと、本人の真意はなんだったのか分かりません。AでもBでもどちらでもいいから、面倒みてくれればいいということだったのかも知れません。
 こんな話はドラマか小説の話みたいだと思われるかも知れませんが、こんな場合にどうするのか、ある程度は法律に書いてあります。法律に書いてあるくらいですから、この種の問題は昔からあったということです。

 では、どうなるかと言うと、1通できちんとした遺言書になっている場合には、最後の遺言書が有効になる、というのが原則です。

 ところが1通できちんとした遺言になっていない場合もあります。1通できちんとした遺言書になっていない場合というのは、どういう場合かと言うと、「前の遺言を取り消す」としか書いていないような遺言書です。
 第1遺言書があり、続いてこれに反する第2遺言書があり(この場合、第1遺言は第2遺言で取り消されたことになります)、そして、第3の遺言書に「第2遺言を取り消す」としか書いてない場合、第2遺言書が取り消されたことは間違いないのですが、それでは、第1遺言書が復活するのか、という問題が起こります。

 結論を言うと「第1遺言を復活させる意思が読み取れる場合には、第1遺言は復活する」ということになります。単に「第2遺言を取り消す」としか書いてない場合には、第1遺言が復活させる意思があったとは言えないことになります。この場合は、遺言がなかったことになります。このため、法定相続分で遺産分割をすることになります。兄弟AとBの二人が相続人なら、二人で半分ずつです。

 なお、AとBの二人の子どもが相続人の場合、「Aに全部相続させる」「Bに全部相続させる」という遺言書は、どちらが有効になっても、片方の遺留分を侵害しています。遺言書で財産をもらえなかったAまたはBは、相手方に対して、遺留分を戻すように請求できます(遺留分減殺請求です)。相続人が二人だけなら、相続財産の1/4について遺留分があるので、その分について自分に戻せと言うことができます。

(*)遺言書が自筆遺言の場合、本人が亡くなると、全ての自筆遺言について、検認の手続が必要になります。自筆遺言で、遺言を書き直した場合には、前の遺言書を廃棄した方が、将来の相続人のためになります(廃棄するのは、あくまでも、遺言を書いた本人です)。

TOPへ
【困った遺言書】
●相続後にもめる遺言書
 せっかく遺言書があるのに、もめごとが起こる場合があります。
 ありがちなのは、遺留分を侵害する遺言です。この場合、亡くなった後で、遺留分の減殺(取り戻し)請求などの裁判が起こされることがあります。

 遺言があるのに亡くなった後でもめるのは、遺留分減殺請求だけではありません。遺言書があるのに遺産分割協議をしなければならない場合や、遺言書の解釈が問題になる場合もあります。そんな例として、遺産の一部が欠けている遺言書と現金を相続させる遺言書について、お話します。

TOPへ
●遺産の一部が脱けている遺言書
・遺産の一部が脱けている遺言書とは
 
 この財産は誰それに、この財産は誰それに相続させる、と書いてあるのが典型的な遺言書です。
 一つ一つどの遺産を誰それに相続させると書いた上で、「その余の遺産は全て、○○に相続させる」と書いてあれば、亡くなった後でどの財産を誰が引き受けるのか分からない、という問題は起こりません。

  しかし、遺産の一部について、誰が相続するのか書いていない場合があります。書いてあっても「祖先のことを思ってくれる者」とか「一番ふさわしいと皆が認める者」など、具体的に「誰」と書いてない場合があります。この場合も、誰が相続するのか書いてないのと同じです。
 このように、遺産の一部が脱けている場合には、その遺産をどうするのか問題になります。

・特別受益として処理します
1.
例えば、子AとBの2人が相続人の場合で、遺産総額1億円(1億円分の遺産という意味です)のうち、「2000万円分の財産をAに相続させる」とだけ書いてある遺言書がある場合(2000万円に相当する具体的な財産(特定の不動産など)が書かれていることを前提にします)には、次のようになります。

  まず、Aに相続させるという2000万円分はAに対する特別受益になります。この場合は遺産総額は1億円のままです。法定相続分はA、Bともに5000万円ですが、Aは2000万円の特別受益を受けることになるので、残りの財産(8000万円分)のうちから3000万円分を取得することになります。そして、Bは5000万円分を取得します。
 つまり、この場合は、遺言書に書いてない8000万円分の財産を、Aが3000万円分、Bが5000万円分相続したことになり、この割合で遺産分割協議をすることになります。

2. 次に同じAとBが相続人で、遺産総額1億円分のうち、6000万円分についてAに相続させるとだけ書いてある遺言書がある場合ですが、この場合、残った遺産は4000万円になります。
 この場合も、遺産総額は、1億円になります。法定相続分はAもBも5000万円なので、Aは残った遺産からは何ももらうことはできません。Bが残った遺産4000万円を相続することになります。

 しかし、残った遺産4000万円では、Bの法定相続分5000万円に、1000万円足りません。この場合、BはAが相続することになった6000万円の中から、自分の法定相続分(5000万円)の不足額1000万円を取り戻すことができるでしょうか。
 結論を言うと、それはできません。遺言は、法定相続分とは異なる「相続分の指定」もできることになっています。このような遺言はAに対して、法定相続分を超える「相続分の指定」があったとみられます。つまり、「Aには6000万円、Bには残り4000万円の財産を相続させる」と書いてあるのと同じだと理解されます。このため、Bは残った4000万円しか相続できません。(*)

3. ただし、同じ例で遺言書に「Aに8000万円相続させる」と書いてあれば、残った財産は2000万円しかなく、Bの遺留分(2500万円)を侵害していることになります。この場合には、BはAが相続した6000万円の財産のうち、500万円分(遺留分の侵害額)について遺留分の減殺請求ができます。

(*)遺言書に書いてない4000万円の財産が不動産の場合、Bは登記する必要がありますが、この遺言書だけでは登記できません(公正証書遺言でもできません)。Aから「相続分がない」という証明書と印鑑証明をもらう必要があります。Aがこの証明書を出してくれない場合には、家庭裁判所に調停の申立をする必要があります。

・財産の評価でもめるので話はややこしくなります
 このような例で言うと、遺産の一部が脱けている遺言書でも、比較的簡単に処理できるように思われるかも知れません。
 しかし、これはあくまでも、財産の評価額が決まっていることを前提とした場合です。しかも、相続人が2名の場合を例にしました。

 実際には、評価額を決めてから上のような計算をすることになりますが、特に不動産の場合には評価額に争いが起こるのが通常です(これについては、「相続コラム」の「不動産の評価」をご覧ください)。また、相続人が3人以上の場合で、同じような遺言があれば、遺言書に書いていない遺産について、2人ないし3人で遺産分割協議の必要があります。いずれにしても、話し合いで決まらなければ、遺産分割調停などの手続が必要になります。

TOPへ
●現金を相続させるという遺言書
・遺産の中に現金があれば問題ないのですが・・・

 「子Bには現金○○円を相続させ、その余の財産は子Aに相続させる」という遺言は、珍しいものではないと思います。Aに相続させる「その余の財産」の中に不動産など高額なものが含まれていて、Bに相続させる現金の額の方が少ないのが普通だと思います。要するに、Bにはこれだけのお金をあげるから、それ以上文句を言うな、というのがこの種の遺言の趣旨です。

 しかし、Bに相続させる現金の額が非常に多い場合もないわけではありません。金額が多いだけならともかく、その金額に相当する現金や預金が遺産にない場合もあります

・預金の中からと書いてあればいいのですが・・・
  現金、預金がない場合でも、「○○銀行の預金の中からBに○○円を相続させる」と書いてある場合には(正確には現金を相続させるというものではありませんが)、遺言をした人が亡くなった時の預金の残高が限度になります。
 遺言書を書いた時点では十分な預金があった場合でも、亡くなった時には預金残高が○○円よりも少ないこともあり得ますが、あくまでも預金の残金の範囲内ということになります(遺言書を書いた人の生前の処分によって、遺言の一部が取り消されたと言うこともできます)。

・預金の中からと書いてない場合
 それでは、「預金の中から」と書いていない場合(「遺産の中から」と書いてあった場合も同じです)はどうでしょうか。例えば、亡くなった時には預金残高が0で、他の財産を処分しないとお金が作れない場合には、他の財産を処分してBに対して○○円が支払われることになります(*1)

 この場合、遺言執行者がいれば、遺言執行者が他の財産を処分して現金○○円を作り、これをBに交付することになります。
 問題は、遺言書で遺言執行者の指定をしていない場合です。AとBの話し合いで解決すれば問題はないのですが、そうでない場合には、Bが、遺言執行者の選任を家庭裁判所に求めるのが原則的な解決方法です。

  遺言執行者の選任申立をしないで、BがAを相手方にして○○円を支払えという裁判を起こすことはできないかという点については明確な裁判例を見つけることができませんでした。
 しかし、「相続人以外の人に現金を遺贈する」
という遺言は、相続人を相手に現金を支払うよう請求する権利を与えるものだと解釈されています。共同相続人間でも同じだとすれば(これが普通の解釈だと思います)、BはAに対して○○円を支払えという裁判を起こすことができます。この場合、○○円が遺産の総額の範囲を越えている場合には、Aは遺産総額の範囲内しか払わないと主張することになります(*2)

(*1)この場合も、遺言を書いた時の状況や遺言書の文言によっては、遺言の内容は、預金などの範囲内で現金を相続させるものだと、解釈される場合があり得ます。ただし、「遺言書の記載自体から遺言者の意思が合理的に解釈できる場合に、遺言書に表われていない事情をもって、遺言の意思解釈の根拠とすることは許されない」(最高裁昭和58.3.18判決)のが原則ですから、基本的には遺言書の文言が重視されます。

(*2)Aが相続する財産がなくなるような場合、Aの遺留分が侵害されることになります。Aは遺言の内容を知った時から1年以内に遺留分減殺の請求の通知をしなければなりません。しかし、現金や預金がないからBが相続するものがない、などと考えて遺留分減殺の請求をしない可能性もあるので注意しなければなりません。

・他の財産を別の相続人に相続させるという遺言の場合
 これだけでも、ややこしい話ですが、Aにも特定の財産(不動産など)を相続させるという遺言の場合にはもっとややこしい話になります。つまり、「Aにはこれこれの土地を相続させる。Bには現金○○を相続させる」という遺言の場合です。

 このような遺言で、相続の時に預金や現金がなく、Aに相続させるという土地しかない場合はどうなるのでしょうか。

 現金を相続するというBをAよりも優先させる理由はありません。通常は、遺言を書いた時点では、それなりの預金などがあり、それが相続開始の時には残高が少なくっていたことが考えられます。その場合には、遺言書に直接書いてなくてもBは「預金の範囲内で」現金○○円を相続することにしたと解釈するのが合理的です。そして、遺言を書いた人の生前の処分で預金の残高がなくなったので、その分は遺言書の取り消しをしたと考えられます(*)。

(*)この場合、BからAに対する遺留分減殺請求の問題が起こる可能性があります。

・2つの遺言書に分かれている場合
 それでは、AとBに相続させるという遺言が一つの遺言ではなく、二つの遺言になっている場合はどうでしょうか。
 まず、「Aにはこれこれの土地を相続させる」という遺言が作られ、その後で、「Bには遺産の中から現金○○円を相続させる」という遺言が作られた場合(あくまでも、それなりの期間をあけて二つの遺言書が作られた場合です)には、単純に上記のように考えることはできません。後の遺言で、「前の遺言(Aに土地を相続させるという遺言)を取り消す」と書いてあれば、「その余をAに相続させる」という遺言の場合と同じことになります。つまり、遺産の中の土地を処分してでも、Bに現金が支払われることになります。

 しかし、「前の遺言を取り消す」と書いてない場合は、問題です。(*)
 Bに現金○○円を相続させるという遺言を書いた時点で、十分な預金などがあったかどうか、また、Aに対する遺言を部分的にも取り消す意思があったかどうかなど、遺言を書いた時の具体的な状況や遺言の文言などから、遺言を解釈するしかありません。最終的には裁判所が判断しますが、簡単に決められる話ではありません。
 いずれにしても、困った遺言ということになります。

(*)自筆遺言ならともかく、公正証書遺言では必ず「前の遺言を取り消す」かどうか書いてあると思っていましたが、そのことが書いていない公正証書遺言が現実にありました。
TOPへ


【自筆遺言と不動産の登記】
●原則として登記できます

 遺言書の内容は、様々で、時には遺産と関係ないことが書いてあることもありますが、多くの場合は、「○○の不動産を○○に相続させる」とか、「○○銀行の預金を○○に相続させる」などが書いてあります。

  そして、不動産の場合は登記をすることになります。公正証書遺言の場合は、そのまま登記できます。

 自筆遺言の場合は、検認を受けなければ登記できません(検認については「相続の基礎知識」の「自筆遺言の検認手続」をご覧ください)。ただし、検認を受ければ登記ができるのが原則です。登記所(法務局)は、「検認済み証明書」のついた自筆遺言書があれば、遺言書のとおりの登記をしてくれます。検認手続のときに、出席した相続人の1人が「本人の筆跡ではありません」と言ったとしても登記されます。

  問題なのは、自筆遺言の原本がない場合です。
 遺言書の原本は申立人に返されます。そして、申立人以外の人に「不動産を相続させる」という内容になっていた場合など、申立人が遺言書原本を貸してくれないこともあり得ます。その場合は、遺言書原本の代わりに家庭裁判所が検認手続の時に作った「検認調書」の謄本(裁判所で入手できます)を添付して登記申請をすることになります。
 ところが、検認手続のときに他の相続人が「筆跡が違う」などと言った場合、検認調書にはそのことが書いてあります。そうすると、登記所では、「筆跡が違う」と発言した相続人から「登記申請に異議がない」という一筆をもらわない限り、登記申請を受け付けないということになります。「筆跡が違う」と言った人が、「いや、勘違いだった」と言ってくれればいいのですが、遺言の内容に不満があるような場合には協力してもらえない可能性があります。

  なお、銀行から預金を下ろす場合ですが、銀行によっては「検認済み証明書」の付いた遺言書原本だけでなく、「検認調書」も提出してほしいと言うところもあります。そして、「検認調書」に「筆跡が違う」という発言が書いてあると、同意書をもとめられることになります。
TOPへ

●遺言書があるのに裁判をしなければならない・・・
 同意書が取れない場合は、裁判所に自筆遺言書を書いたのが遺言者本人だと確認してもらう裁判を求めることになります(文書の真正確認の裁判といいます)。また、逆に、登記などの手続が終わった後で、「あの遺言は偽造だ」ということで他の相続人が、遺言の無効の確認を求める裁判を起こすこともあります。

  裁判では当然、証拠が必要です。遺言者本人が書いたことが間違いないと考えられる文書を証拠として提出します(消印のある葉書などが有効です)。訴えを起こす前に筆跡鑑定をしてもらい、その鑑定書を証拠として提出することもあります。
 筆跡は素人目には異同が分かりにくいのですが、本人が書いた文書と遺言書の筆跡が一目で同じと分かる場合もあります。しかし、死が目前に迫った状態で病院のベッドで書かれたものなどは、普段の筆跡と違っている場合があり、このような場合は、特に問題になります。
 裁判所で遺言書が遺言者本人が作成したものと認められれば、この判決と遺言書で、登記申請などができます。

 自筆遺言で問題になるのは、本人が書いたかどうかという問題の他、不動産が地番でなくて住居表示になっていたり(法務局で受け付けてくれて登記できる場合もあります)、地番でも住居表示でもなく間違った記載になっている場合もあります。また、書いてある文章が意味不明確な場合もあります。意味がある程度分かっても、いくとおりにも解釈できる場合もあります。いずれにしても、法務局で登記できない場合には、相続人間で裁判をしなければならない場合があります。次にお話する1つの土地を分ける必要がある場合もそうです。
TOPへ

●1つの土地を分ける必要がある遺言
 一筆の土地(1つの地番の土地)の一部を相続させる、という内容の遺言もあります。

・亡くなる前に分筆するのが普通ですが
 亡くなる前に分筆して、分筆したそれぞれの土地を誰それに相続させるという遺言を作れば(遺言自体は普通の遺言ですから)、何の問題もありません。
 しかし、自分が生きている間は1つの土地のままにしておきたいという場合もあります。いつ亡くなるのか分からないのに、早まったことはしたくない、という考えもあるでしょう。それでも、土地の一部を特定の誰かに譲りたいのなら、遺言を作るしかありません。

・自筆遺言に測量図をつけることはできる?
 このような場合、遺言をどうするか、という問題があります。
 自筆遺言に測量図などの図面を付ければいいじゃないかと思いますが、自筆遺言は全文、自筆でなければならない、という原則にひっかかりそうです。

  これについて、有効だとした裁判例があります。遺言者が単に遺産分割の対象となる土地の測量図を遺言書に添付しただけでなく、当該図面上の土地の各区画に当該区画を相続すべき相続人の名前を自署した場合には、他人作成の図面も全体として遺言者が自書したものとして自筆証書遺言の要件を満たすとした裁判例です(東京地裁平成15年2月26日判決)。
 法務局も、このような判決を付けて申請すれば登記してくれるのでしょう。

 しかし、このとおりの判決が出るかどうかは分かりません。これから遺言を書く場合には、公正証書遺言にした方が無難です。

 ところで、手書きの図面で、どの区画を誰それに相続させるという自筆遺言の場合、遺言としては有効でも、法務局で受け付けてくれません。他の相続人が協力してくれない場合には、測量図を作って、「遺言書の手書きの図面で自分が相続することになっているのは、測量図のこの部分だ」、という裁判を起こす必要があります。

・建物と「その敷地」としか書いてない場合は?
 一筆の土地の上に複数の建物が建っている場合があります。そして、その建物と「その敷地」を相続させる・・・という遺言をすることがあります(建物についてはどの建物を相続させるのか特定できることを前提にお話します)。

  公正証書遺言の場合には、公証人から「その敷地」というあいまいな形ではなくて、測量するなどして特定した方がいいですよと言われるはずです。
 しかし、すでに本人が亡くなっている場合には、このような自筆遺言で何とかするしかありません。
 ただし、そのまま法務局に持って行っても登記してくれません。他の相続人が協力して測量に立ち会って、「その建物の敷地」を特定してくれて、共同して分筆の登記とその相続人への移転登記ができれば問題ありません。

 ところが、他の相続人が協力してくれなければ、自分で「その建物の敷地」を特定して測量図を作り、他の相続人を被告にして裁判を起こすしかありません。
裁判の内容は、「その建物とその敷地」について、自分に移転登記の手続をしろ、というものです。分筆に協力しろ、という裁判の必要はありません

  この裁判では、訴える時に、敷地の範囲を欲張って指定したりすると、相当揉めることになります。建物の土台部分は間違いありませんが、その周りの敷地は、建築確認申請の資料や、周辺の状況に基づいて特定する必要があります。将来、建物の再築ができるためには土地が道路に2m以上接している必要がありますが、それが確保できるかどうかは「敷地」の解釈次第です(1棟の建物として建築確認申請されていれば、将来の再建築が可能な「敷地」のはずですが)。

  裁判所が、「その敷地」の範囲を認めて判決を出してくれれば、その判決に基づいて、分筆と分筆後の土地とその上の建物の所有権移転登記ができます(分筆の登記は、他の相続人を代位して申請することになります)。

TOPへ

【遺言の実現を妨害された
●遺言があるのに別の登記をされた
 遺言書に、「特定の不動産をAに相続させる」と書いてあれば、Aが共同相続人の1人の場合(*1)、遺言書を書いた人が亡くなると当然に、Aがその不動産の所有権を取得します。そして、その遺言書を法務局に持って行けば、亡くなった人の登記をA名義にすることができます。
 ところが、登記しようしたら、亡くなった人から別の人の名義になっていたということがあります。亡くなる前に名義が変わっていた場合もありますが(*2)、ここでは、亡くなった後で、登記の名義が変わっていた場合についてお話します。
 亡くなった人が親で、相続人はその子でAとBの2人ということで説明します。

・なぜ、こんな登記ができるかと言うと
 このような登記がされるのは2つのケースがあります。
 まず、AとBがそれぞれ1/2のずつの共有という形で登記された場合です。このような登記は、Bが単独ですることができます。亡くなった親の戸籍を提出して登記の申請をすると、法務局は、法定相続分で相続したという内容の登記をします。法務局は、遺言書があるのかどうか知らないので、申請があれば、このような登記をします。
 もう1つのケースは、Bの単独名義になっている場合です。偽造書類を使ったのでなければ、親が最初にその不動産をBに相続させるという遺言書を作り、その後になって、今度はその不動産をAに相続させるという遺言書をした場合です。この場合、後の遺言書で最初の遺言書は取り消されたことになります。ところが、Bが取り消された遺言書で法務局の登記の申請をすると、法務局は2通の遺言書があることは知らないので、B名義で登記してしまいます。
 こうして、本当ならAの単独の名義で登記されるはずなのに、それ以外の登記がされてしまったことになります。

・所有権はなくなりません
 この場合でも、その不動産の所有権がAにあることは変わりありません。「相続させる」という遺言書の効力は、登記がなくても第三者に対抗できるからです。このため、例えば、Bが自分の名義(共有の登記の場合は1/2の持分)を第三者に移してしまっても、Aは所有権を失うことはありません。
 ただし、Aに所有権があると言っても、一旦、遺言と違う登記をされてしまうと、Aが遺言書を法務局に持って行っても、法務局は受け付けてくれません。Bの同意が必要だと言われます。この場合でも、Bが「Aに相続させる」という遺言書の存在を知らないで登記申請した場合などはBは登記の変更に協力してくれる可能性があります。
 しかし、Bが協力してくれなければ、Bを相手に裁判をしなければなりません。共有の登記の場合には更正登記の請求(AとBの共有の登記をAの単独登記に改める登記の請求)、Bの単独登記の場合には、亡くなった人からBに対する移転登記の抹消登記を求める裁判を起こすことになります。登記手続を求める裁判ですが、実際の登記手続は、判決書だけでできます(実際にBに登記手続をさせるわけではありません)。ただし、Bの単独登記がされた場合には、Bの登記を判決書で抹消してから、遺言書でAに対する移転登記をすることになります(同時に申請できます)。

・仮処分をする必要があります
 Bが名義を第三者に移しても、Aの所有権はなくならないのですが、裁判はややこしいことになります。裁判は、登記名義人になった第三者を相手にする必要があります。
 ところが、その第三者が、さらにまた別の第三者に登記を移すと、今度はその第三者を相手にしなければなりません。延々といたちごっこをするようなことになります。
 それでは話になりませんので、登記を凍結する仮処分をすることになります。Bに対して、所有権や持分権の移転や担保権の設定などの処分を禁止する仮処分です。これを「処分禁止の仮処分」といいます。
 この種の仮処分も裁判ですが、仮処分の申立をしたことをBに知られてしまうと、第三者に名義を移転してしまう可能性があります。そこで、裁判所は、Bには知らせず、Aから話を聞くだけで(通常はAの代理人弁護士が代わりに話をします)仮処分の決定をします。この場合、あくまでも、「仮」の決定なので、保証金が必要になります。不動産の場合はその価格(固定資産評価額)の15%ほどのお金を法務局に供託する必要があります(金額は裁判官が決めます)。
 こうして、登記を凍結させた後で、本裁判を起こすことになります。
 なお、供託したお金は、本裁判でAが勝訴すれば全額戻ってきます。敗訴した場合でも、多くの場合は戻ってきます。

(*1)相続人以外に「相続させる」とした場合は、遺贈です。遺贈の場合には、遺言書だけでは登記名義の移転ができません。遺言執行者か相続人全員が登記手続をする必要があります。また、この場合には、相続人が共有名義の登記をしてそれを第三者に移転してしまうと、所有権を失うことになります。

(*2)Aに「相続させる」という遺言を書いた後で、遺言を書いた人が、その不動産を第三者に譲渡した場合には、Aに「相続させる」という遺言を取り消したことになります。

TOPへ

 
 
賃貸借契約の相談は下記の リンクをクリックしてください。
 
賃貸借契約
 
借地契約の相談は下記の リンクをクリックしてください。
 
借地
 
相続関係の相談は下記の リンクをクリックしてください。
 
相続
 
競売関係の相談は下記の リンクをクリックしてください。
 
競売
   

 
弁護士 内藤 寿彦  東京弁護士会所属

個人情報ポリシー
〒105-0001 東京都港区虎ノ門5丁目12-13 白井ビル4階  
TEL:03-3459-6391 / FAX:03-3459-6396   Copyright NAITO TOSHIHIKO LAWYER OFFICE ALL Rights Reserved.